液晶ディスプレイにおける「焼きつき」とは

昨日,どういう原理かちゃんと説明できなかったので,
ここにでも書いておこうかと思う.
(きっと・・だれか見てくれるだろう・・・)

結論から言うと,CRTにおける「焼きつき」とは原理が違うし,
もしかしたら,「焼きつく」という表現は適切じゃないのかもしれないけど.

まず,焼きつきとは何か,簡単に説明すると,
CRTなどで長時間同じ画面を映したままにすると,
その表示が残ってしまい,消えなくなってしまうことがある.
これを「焼きつき」という.
まあ,画面に映像が焼き付いてしまうってことで,
「焼きつく」って表現からだいたいどういうものか分かると思う.

ちなみに,これが起こるのは蛍光体が劣化してしまうからで,
液晶の場合は,映し出す原理が違うから,
上記理由では焼きつきは起こらない.

じゃあ,液晶における「焼きつき」とは何かというと,
液晶ディスプレイのカラーフィルタを構成している
液晶分子の配列が固定化されてしまい,
電圧をかけて配向しても(状態遷移を促しても)
その状態が変わらなくなることを指す.

もう少し分かりやすく言えば,
長時間同じ映像を映していると,
液晶分子が帯電してしまい,その配向状態を維持してしまう.
そのせいで,他の映像を映しても,そのときの映像が画面に残る.
(それを「ゴーストイメージ」と呼ぶ 参考[3])

つまり,画面に映像が焼きついてしまうのと同じことが起こる.

CRTと違い,劣化してるわけではなく,
帯電によって配向状態が維持されてしまうだけなので,
電源を切って十分に放電してやれば元に戻る.
あるいは,大きな電圧をかけてやっても,
無理やり元に戻すことはできる.
(壊れる可能性があるので普通はそんなことしないけど)

そういうわけで,原理こそ違うものの,
液晶でもCRTと同じように「焼きつく」と表現する.

そういうわけで,液晶にも「焼きつき」はあるんですよ.

参考文献:
[1] 液晶ディスプレイ – Wikipedia
[2] 焼き付き – Wikipedia
[3] 液晶モニタの焼付け – OKWave
[4] 焼き付き
[5] 液晶ディスプレイの構造 – 情報機器と情報社会のしくみ素材集

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