程度が知れるといいますか…… – 中国産毒ギョーザの話

 
 
一部のウェブサイトでは、同問題が日本で大きく報じられたことについて「こんな事件を
起こすから、中国食品は信用されなくなる」「中国のメンツは丸つぶれだ」との声がある
一方、「日本メディアがまた中国の悪口を誇張して書き立てている」「日本人はあまりに
虚弱体質だ」と反感を表す書き込みもみられる。(ギョーザ問題「日本人は虚弱体質だ」 – nikkansports.com より引用)
この問題、まあ確かに一部のWebサイトや個人が多少過剰に反応している嫌いはある。
けど、少なくとも、マスメディアが誇張しているようには思わないし、現にそう感じるような報道はまだ見てない。
そもそも、当事者国家の人間たる者がそういう発言をするのはどうなんだろうか。
まあ、所詮はネット上の落書き程度のもんだから、捉える側もその程度のもんだと重々認識するべきで、
だから、それをふまえたうえで、そういう発言をするなって全否定するわけじゃないけど、
それにしても、心象を悪くするのは否めないわけで、そういう発言は自重すべきだよなーとか思ったり。
 
あと・・・「日本人はあまりに虚弱体質だ」だけど……これはさすがにないわ……。
この発言は・・いくらなんでも頭が沸いているとしか思えない・・・
というより、(ウジが)湧いているのほうが適切か。
有機リン系化合物を摂取して、虚弱体質も糞も無いだろうと・・・。
生物ならば、神経細胞を有する生命体ならば、皆等しく害を受けるだろうと。。
 
有機リン系化合物を摂取した場合、コリンエステラーゼ(アセチルコリンエステラーゼ; AChE)と結合してしまう。
すると、神経末端においてアセチルコリンの飽和状態が引き起こされてしまい、
結果ニューロンにおける恒久的な活性状態(発火状態)を招き、神経生理機能に障害が生じる。
これによって、アセチルコリン作動性ニューロンにおける正常な働きが阻害され、
例えば、筋肉系の異常な興奮などが起こると、腹痛・嘔吐・下痢や、
酷い場合は筋肉萎縮による呼吸困難などが起こる。
 
有機リン化合物と言えば、「サリン」が有名ではあるが、
今回の事件に含まれていた「メタミドホス」という物質は、
言ってみればそのサリンの親戚なわけですよ。
まあ、サリンの場合はLD50が0.1~0.01[mg/kg]に対して、メタミドホスは約30[mg/kg]程度だけど。
 
でも、致死量が約30[mg/kg]ってかなりの毒性なわけで、こんなもんが入っていたらとんでもない訳です。
 
あと、今回の件でなんで証拠も無いのに中国のせいにするのか分からないとか言う奴がいるが……
状況証拠は十分だろ……そもそも、日本国内でメタミドホスを使用してないし、
過去の事例(参考文献[4])でこんだけやらかしてたら・・・疑わないほうがどうかしている。
ちなみに、日本ではもとより中国でも2008年1月9日には農薬としての使用が禁じられているわけだが。
 
今回の件では、殺虫剤として利用していたものが誤って混入した可能性が高いらしいが、
それにしても・・「日本人はあまりに虚弱体質だ」か・・・。
自国内でも食に関する部分では禁じられてる代物なのに・・この発想はないな~~。
そもそも、メタミドホスは(というより有機リン系一般に)加熱すると分解され毒性がなくなる。
なのに、このような事件が起こったということは・・
いかに大量のメタミドホスが混入していたか・・・考えただけでも恐ろしい(´・ω:;.:…
 
そんなわけで、今後一層・・絶対に中国産の食品は買わない。
 
でまあ、「日本メディアがまた中国の悪口を誇張して書き立てている」だの
「日本人はあまりに虚弱体質だ」という発言にムカついた今日この頃、
そして・・CO-OP(´・ω・`)ショボーン とか思ったりも。
 
あれだけ安全を主張してきたCO-OPで売られていた物を買って、
そして起こった事件なだけに・・CO-OPの信用が失われるのは避けられないんじゃないだろうか。
まあ・・CO-OPに関しては何よりがっかりだったのは・・・あの記者会見での対応だけど。
ぐでぐですぎというか・・記者に問われなかったら言わない気だったんですか?と。。
こういう場合、企業の責任が問われるのは何より事後処理だと思うわけで。
ぶっちゃけ、起こってしまったことに関しては、CO-OPとしてはしかたなかっただろうと思う。
 
混入している毒物を探し出すのは、針山から物を探し出すようなものだし、
そもそも、何に何が含まれているかいないかも分からない状態ですべてをチェックするのは・・
僕みたいな素人にも無理だろうと分かることで。
だからこそ、事後処理こそは責任を果たし、しっかりとやって欲しいなあ。
そして、事後処理というのは、もちろん今後のことも含まれるわけで。
このようなことが二度と起こらないように、安全管理をしっかりやって欲しい。
 
ちなみに、食品分析に関して為になる記事を見つけたので、リンク張っておく。
 
 
食品業界では・・やっぱりCO-OPってすごいのか・・・。
 
 
 08/01/31 23:30 追記 
メタミドホスの致死量(LD50)が、記事によって違ったりするのはなんで?って友人に聞かれた。
というわけで、簡単に説明だけしておくと・・・
一般的に、単位重量当たりのグラム数で表記されるけど、
生き物ってのはそれぞれ体の大きさが違えば、その複雑さも変わってくる。
その複雑さが変われば、当然ながら薬理作用も変わるわけで・・・。
だから、人に対する致死量ってのは大体が推定量と書かれているのは、
マウスやラットなどの動物実験は可能だけど、人で確かめるわけにはいかないわけで、
人の場合は、動物実験によって得られたデータを元に推定するしかない。
だから、どうしても推定量しか算出できない。
しかも、吸入などはまだメカニズムがはっきりしてるから推定しやすいけど、
皮膚からの吸収なんかは推定値がかなり変わってきたりするわけで。
そういうわけで、動物(特に実験動物)の致死量ははっきりしてるけど(下記参照)、
人の致死量ってのはいまいち分からないというわけなのでした。
んで、メタミドホスに関しては、一般的に約30[mg/kg]と言われているらしい。(新聞の受け売り)
残念ながら、いわゆる毒物学や毒性学の類に関する専門書がないので、
この値が正しいのかどうかは分からないけどね・・・・・・。
 
ちなみに、ラットやマウスにおけるLD50の値は以下が詳しい。
 Methamidophos is highly toxic via oral, dermal and inhalation routes of exposure.
The oral doses of methamidophos that resulted in the mortality of half of the test
organisms (LD50 values) are 21 and 16 mg/kg body weight for male and female rats
respectively, 30-50 mg/kg body weight in guinea pigs and 10-30 mg/kg body weight
in rabbits. Dermal LD50 values include 50 mg/kg body weight in rats and 118 mg/kg
body weight in rabbits. Inhalation LD50 values include 9 mg/kg in rats, and
19 mg/kg in mice.        (参考文献[5]より引用)
 
 
 
参考文献:
 
 
 
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