“脂肪燃焼サプリ”の嘘

 
とある広告を見ていて,ひどい嘘(もはや詐欺に近い)に塗れていたので,
ダイエットサプリを買おうと思ってる方に対して警告しておこうと思う.
ただ,面倒事は嫌だから,申し訳ないが商品名は差し控えさせてもらう.
その代わり,一般的な話として,よく含まれている各成分に関して言及しておく.
 
●L-カルニチン
 
カルニチンは脂質代謝に関与するヒドロキシアミノ酸であり,脂質代謝には必須な物質なわけだが,
ダイエット効果に関してはヒトでの有効性についての科学的根拠は一切ない.[1]
ちなみに,Wikipediaでは「摂取のみでは非肥満者および肥満者のダイエットに有効ではないことがわかっている」と書かれているが,
有効でないことが科学的に裏付けられているのか,その点に関してはまだ調べてないので分からない.
(有効であるとはいえないのと,有効でないというのは意味がかなり違う)
 
ただし,肥満者のなかにはL-カルニチンが不足している者も多く,
そういう人の場合は,L-カルニチンを摂取したほうが良いかもしれない.
 
●α-リポ酸
 
α-リポ酸は細胞のミトコンドリアに存在し、生体のエネルギー産生反応における補酵素として働く含硫化合物で,
生体機能に必要不可欠な物質であるが,生体内で合成されるビタミン様物質である.[2]
ダイエット関連の情報に関しては参考文献[3]に詳しく書かれているが,
α-リポ酸がダイエットに有効であるというデータは,ほとんどが動物試験や試験管内実験によるものであり,
ヒトにおけるα-リポ酸の経口投与による体脂肪減少を評価した科学的根拠はない.
つまり,現時点ではヒトにおけるα-リポ酸による痩身効果は,科学的に立証されていない.
 
●アルギニン
 
アルギニンもまた脂質代謝に関与するアミノ酸であるが,こんなもの日頃食べる食品(肉類・豆類・玄米・牛乳等)に多く含まれている.
ダイエット効果に関係がないことは言うまでもなく,また不足がちな子どもならいざ知らず(子どもは必要量を体内で合成できないため;
その場合でも,規則正しい食生活によって摂取しなさいという話だが),大人の場合は必要量を体内で合成出来るようになるため,
サプリメントで摂取する必要性などまったくない物質であり,日頃の食生活によって十分に摂取される成分である.
また,妊娠中・授乳中の安全性については,それを裏付ける科学的データがないために控えたほうが良い.[4]
 
ただし,食欲抑制効果があるので,[5] ダイエット効果がないわけではない.
 
最近,宣伝とかよくしてる,大豆バーみたいなのあるじゃん?
大豆はアルギニンを多く含んでるし,健康に良いから,怪しいサプリ飲むくらいなら,
ああいうの買って食べたほうがマシ.
 
●プロリン
 
これもまた,脂質代謝に関与している成分ではあるのだけど以下同文.
詳しくは参考文献[6]を参照.
 
ほとんどすべてのタンパク質に含まれる物質であり,
低タンパク摂取者やベジタリアンな人を除いては,十分に摂取される成分だと考えられる.
はっきり言って,まったくサプリで摂取する必要性がない.
 
 
なんだか,途中で面倒になってきてかなり疎かになってしまったけど,
調べれば調べるほど……バカバカしくなってくる.
断言してなくても,言い逃れとか許さずに全部取り締まればいいのに.
 
ちなみに,脂質代謝に関与していたとしても,それが促進するものだとは限らない.
(今の場合,ほとんどの物質は関与しているだけでありそれを促進するものではない)
したがって,生体内に十分にその物質が存在する場合に,
それ以上に摂取したところで無意味であることは言うまでもないだろう.
 
それと,企業と共同研究をやっている人間として,これだけは言っておきたい.
 
企業というのは,利益を追求するものだ.
したがって,科学的根拠,裏づけがあるかのように,研究だなんだといってそのデータを公表するが,
真の意味では科学足りえないものばかりであることに注意して欲しい.
十分な被験者を確保せずに,何の有意差も見出さぬままデータを使ったり,
その企画を後押しするためだけにデータを利用したり,
つまり,研究における科学的根拠,妥当性というものはかなり軽んじられ,
自分の都合のいいデータだけを抜き取っている場合が多い.(すべての企業がそういうわけではないだろうが)
 
これは,本当に……本当だから困る……:~(
 
まあ,とにかく,すべてを疑ってかかる.
基本的に,広告は欺瞞で溢れていると思ったほうがいい.
(一般企業が出す製品ですらむちゃくちゃなこの世の中ですよ……)
 
最後に,なんだかな~~というものを発見したので,それを紹介しておく.
 
 
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