夢想起メカニズムと臨床的応用

 
 夢想起メカニズムと臨床的応用  松田 英子 著  風間書房(2006/02)
 
を読了.
 
これすごくいい,ホントいい,マジでいい.
くそう……9,000もしなかったら即行で買うのに……高いよ(泣)
 
ただ,自分が一番欲している知見は得られなかった.
視覚イメージはどのようにして発現されているのかとか,
夢というイメージ現象の発生機序とか.
 
あと,「ノンレム睡眠には存在しない特殊な眼球運動や筋緊張の消失が
レム睡眠下で起こり,これが夢の生成に促進的な役割を果たす」
という文章に関してだけど,REMsや筋電位の消失は,
脳内活動の結果生じる結果であって,その現象から起こるわけではないんじゃないか.
ようは,相関関係はあれど,そこに因果関係があるのかどうか…….
 
REMsはレム睡眠時に脳内運動系が頻繁に活性化していることによって生じる.
(特に運動前野など,また,それと連関して大脳辺縁系,特に帯状回などの部位が活性化する)
脳幹にはレム入眠ニューロンがあり(レム睡眠生起に関係すると考えられるニューロン群),
このニューロンがそれら運動系の各部位に働きかけていることにより,
それらが活性化するのではないかと考えられている.
このとき,レム睡眠中の多くの運動は神経伝達物質が関与する2つの互いに補い合う生化学的作用
によって抑制されるわけだが(レム睡眠中の脳は運動ニューロンを活性化させる神経伝達物質の
放出を停止し,このニューロンの働きを封じる別の神経伝達物質を送り出す),
しかし,この機構は眼球を動かす筋肉を制御する運動ニューロンには影響しないためREMsが起こる.
 
つまり,レム睡眠の中枢の電気活動が眼球運動を誘起しているわけだが,
その眼球運動そのものが役割を担っているわけではなく,それはあくまで結果としての現象であって,
それと同時に,レム睡眠中枢からの電気信号が視覚系の神経回路に飛び込み,
眠っているのに覚醒時にものを見たときと同じような感覚が生じる,
この,PGOスパイク(脳幹の橋(P:Pons), 視床の外側膝状体(G: lateral geniculate body), そして後頭葉(O: Occipital lobe)),
これこそが夢生起の原因ではないかと思うわけだが.
 
で,ミーティングでこういう説明をしたら全然分かってもらえなかったから,
もう少し噛み砕いて云うと,
REMsやEMGの消失は夢生起に関わる脳内活動の結果生じるものであり,
原因に対する結果に過ぎず,その結果が現象に対して意味を持つものではないと思う.
 
まあ,それはともかくとして,9,000……
すごい良い本だから欲しいなあ……
でも高いなあ……orz
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