冷静かつ常識的な対応をすべき – 新型インフルエンザ

関倉がようやく休校を解除するらしい.
休校を決めてからもう何週間経つんだろうか.

そもそも,休校というのは感染が拡大する前の
初期段階においてこそ意味のある措置であって,
関倉のように一定以上広がってしまった場合には意味が余り無い(後述).
発覚した時点で,感倉では相当数に広まっていて,
しかもほとんど治ってたという話だからなあ.

まあ,それはともかくとして,遅かったものの休校を決め,
次々に生徒から感染者が出たためずるずると休校が延び,
けっきょく5月いっぱいは休校ということになった.

弱毒性で健常者の場合症状がほとんど出ない.
アメリカでは感染者の3人に1人がサイレントキャリアらしく,
発熱などの目立った症状は出ないらしい.
今はともかくとして,初期のころであれば・・・
気づかないのも無理は無いんだろうと思う.

ただし,関倉が関西圏での感染拡大の一旦を担ったのも事実.
神戸のほうが最初に騒がれ出したが,
時系列的には,関倉で感染したと思われる生徒が出たのが先だし,
僕の住んでいる某市では,最初の感染者はやはり関倉だった.

その点に関して,関倉の経営陣は反省しなければならないし,
今回の失敗を今後に生かして,改善しなければならないだろう.

でも,わいわいと糾弾されるものではないし,
ましてや,関倉の生徒が非難され,
奇異の目で見られるというのはおかしいだろう.

当分の間,関倉では私服登校を認め,時差通学をするらしい.
それもこれも,関倉生を奇異の目で見る人がいるかららしい.
関倉生=キャリアとでも言うのだろうか.
むしろ,あれだけ感染が広まっていれば,
大多数が免疫を持っていて,関倉生=ノンキャリアだろう.
それとも,関倉の遅すぎた対応の責任とでも言うのか.
そんなの,運営陣の問題で生徒は全然関係ないじゃないか.

ちょっと前に,関倉の教員がタクシーで乗車拒否されたという話があった.
そして,長い長い休校があった.
これに関しては,感染予防というよりは,
第一義的に風評被害を避けるためという意味しかない.
で,休校が解除されるにあたって,こんどは私服だ時差通学だ・・・と.

日本は「騒ぎすぎ」というのはこういう部分にある.
理性的に,合理的に考えれば,休校騒ぎもこれらの話も茶番に過ぎない.
そして,みんなが冷静かつ常識的な対応をしない(出来ない)から,
風評被害を恐れて思考停止な右にならえの一斉休校をする.

人によっては様々な事情があって,
より不安を覚えることがあるかも知れない.
でも,だからこそ,正しい知識を身につけ,
冷静かつ合理的な判断を下せなければならない.

自分も不必要な休校による自宅待機を迫られ,
関倉の知人が風評被害にさらされ,
いろいろな不都合,不利益を被っていることを見て,
その辺りのことをすごく痛感したわけで.

とあるところで長々とコメ欄を汚したけども,
その辺りの事情もあったわけです.

 – 蔓延期の休校がなぜ無意味か(とあるところで書いた文章の要約)

感染者数が一定数超えれば,非感染者を一時的に隔離しても無意味です.
新型ウイルスの発生早期時に一斉休校をするのは,
感染者数が一定数を満たしていないからです.
感染者数(基本再生産数)が一定閾値(感染閾値)を超えない限り,
感染拡大は起こらないため,一斉休校が意味を持ちますが,
感染者の数が一定数を超えた場合(フェーズ3のような状況),
基本再生産数が感染閾値を超えている限り感染は拡大するため,
健常者を一時的に隔離しても意味がありません.

 – 京大の対応が適切であると考える理由(とある..以下略)

京大の対応が褒められるのには3つの理由があります.

第一に,H1N1は弱毒性であること.
第二に,一斉休校が余り意味を持たないこと.
第三に,集団免疫の成立への貢献.

第一に,今回のインフルエンザは弱毒性であるため,
感染者の命に関わるということはありません.
そのため,校内感染を直ちに危険視する必要はありません.
(危惧されるのは合併症ですがそれについては後述します)

第二に,一斉休校することには余り意味を持ちません(強毒性ならば話は別ですが).
その地域での感染拡大を完全に封鎖出来たならば,
一斉休校することに一定の意味を持ちますが,
実際には休校中にも関わらず出歩く人間は後を絶ちませんし,
大学は各地域から人が集まる場所であるので,
感染者を隔離することは不可能です.
したがって,京大内で爆発的に感染が拡大しているならいざ知らず,
現状においては大学の一斉休校には余り効果がありません.
それは他の大多数の大学においても同じです.

第三に,公衆衛生的に集団免疫の成立に貢献するということです.
この対応はこれ以上の感染拡大を防ぐことになります.
公衆衛生学的に,伝染病の基本モデルとしてSIRモデルというのがあります.
今回のケースもそれと同じように考えられ,
状態遷移を「未感染→感染→免疫」とおけます.
すると,各ノードはつまり人であり,
各ノード間は人-人感染を意味するわけですが,
状態が免疫のノードが増えていけば,
「感染」という状態が遷移していかなくなります.

これが,集団免疫の概念であり,感染症の伝染を未然に防ぎ,
結果的に感染症に対して弱い集団も守ることにもなります.
集団免疫が成立すれば,感染症の伝染を未然に防ぐことになり,
本来はワクチン接種による集団免疫の成立が望ましいのですが,
現状としてはワクチンが無い以上,それは望めません.

また,その他の理由としては,一斉休校などの対策は,
本来H5N1などの強毒性の伝染病に対しての対策であり,
H1N1などの弱毒性の伝染病に対しての対策ではありません.
そのため,必ずしも対応として適切なものとは言えませんし,
今回,その行為が与えた経済効果や地域損失を考えれば,
それは言うまでも無いことだと思います.

以上の理由を総合的に勘案すれば,京大の対応というのは
現状として合理的なものであると推察されます.

また,既に蔓延期に入っていることも思慮しなければなりません.
既に第三段階な今,「新型をこれ以上広げない」という目的は意味を持ちません.
したがって,一斉休校することに意味はまったくありません.
今の段階では,IDSCが述べるように,
「季節性インフルエンザの感染対策に準じる」
ことが推奨されます.

政治的な判断から即座に一斉休校をする大学が多い中,
京大は合理的観点からよく判断を下したと思いますよ.
そういう意味では・・・・・・

「賢く行動してやり過ごしましょう。」

これは日本全国へ向けての風刺かも知れないですね.

参考文献:
[1] インフルエンザの予防接種と集団免疫 – へい太郎の世界
[2] 伝染病のモデル 伝染病(疫病) SIR モデル モデル – 奈良女子大学
[3] 伝染病の感染モデル
[4] 医療機関での新型インフルエンザ感染対策: 第三段階(まん延期)以降 – IDSC

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