書籍紹介:「現代ポートフォリオ理論講義」

  根岸 康夫:現代ポートフォリオ理論講義.金融財政事情研究会,2006/11.

僕は大学で経済学なんて専攻していないし,マクロ経済だとかミクロ経済だとか言われても,
何をどう巨視的に見てるの?何をどう微視的に見てるの?何が違うのってレベルだし,
ましてや,金融工学だなんて,金融に工学?何それカッコつけてんの?ってレベルの人間だ.

ただ,ちょっと前から金融の世界に非常に興味が惹かれて,
「金融工学・・・カッコつけてんのかしらんけど・・・カッコイイやんっ...」
って思って,いろいろ金融工学の勉強を独学ながらやってたんだけど..

むずい・・・基礎知識がない人間には難しすぎるよ・・・.ていうか読む気起こらん..orz

って感じだった.それが,本書の分かりやすいこと.
本当に分かりやすくて感動した!!

本書は,「現代ポートフォリオ理論講義」だなんて大層なタイトルだけど,
完全に初学者向けの本であり,入門書であって,以下のようなタイトルのほうが合ってると思う.
「金融工学入門!-現代ポートフォリオ理論とは,CAPMや回帰モデルを理解しよう」

この分野を選好している人にしてみたら,
「何この表面さらっただけのつまんねー本.数式も全然ないし,
議論が浅はかだわー厳密性に欠けるわー」
なんて言うかもしれない.

でも,僕らみたいな初学者にはこれくらいがちょうどいい.
この本読んで,初めて分かったもん.

「えっ・・現代ポートフォリオ理論ってすっごい簡単な仮定に基づいてるんだ.
ていうか,CAPMにしてもめちゃめちゃ簡単じゃん.基礎統計学のレベルじゃん..」

って.もちろん,深く追求していけば,また難しい話になってくるんだろうけどさ..
あと,この本を読んで,やっと債券の話が分かってきた.
よくニュースとかで,「米国債のイールド・カーブがフラット化・・・」とか言われても,
「イールド・カーブがフラット化するとどうなの?・・・そもそも,イールド・カーブ?」
みたいな可哀想な僕でしたが,今ではそれがどういうことなのかちゃんと分かりました.

あとは,CAPM理論ね.
特にα戦略とかβ戦略とか言われるけど,なんじゃらほいって話.
高ベータ通貨のベータもこのベータなんだね,って読んで知った.
まあ,理解したら非常に単純な話で,ただの線形回帰モデルですねって話だが.

最後の章で「パフォーマンス評価」についても書かれている.
資産運用をしようと思い,投資信託等に手を出す場合,その結果がどうなるのか,
より良い投資信託を実現するために,運用成績向上を実現するために,
どのようにパフォーマンスを評価すれば良いかって話.

この本は,学術的には内容が浅いし,数式も全然ないし,微妙かもしれない.
でも,実務者や投資家にとって必要なエッセンスは詰まってると思うし,
最低限,知るべき事柄,数式は載っているんじゃないかなと思う.
実際,「本書は実務者のために書いた」と「はじめに」にも書かれているし.

金融工学の本は何冊か読んだけど,この本が一番分かりやすかった.
この本で取っ掛かりを作って,より専門書に進んでいけば良いんじゃないかな.



根岸 康夫:現代ポートフォリオ理論講義.金融財政事情研究会,2006/11.

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