アノマリー(ジンクス)と確率的揺らぎ、思考のダイナミクス

投資家の人って少なからず願掛けやアノマリー(ジンクス)を信じている(利用する)けど、
どういう考えで以ってそれを行っているかで、有意味でもあれば無意味でもあると思う。

アノマリー、「再現性は無く、どうしてそうなるか説明できないものの、
特異な傾向がみられる状況、そうなる事が多い状態」を指す言葉。
突き詰めれば擬似相関なのかも知れないし、
見せかけの回帰に意味を見出しているだけなのかもしれない。
というか、数理統計的にはその様に理解するのが正しいだろう。

ただ少なからぬ人が、そこに意味を見出して、そう考えていると。
要はアノマリーなんて取ってつけた言い方をしているけど、
ジンクスと一緒なんだよね。じゃあ、ジンクスは全くの無意味だろうか。

ジンクスをそのまま頭から信じ込んだり、ジンクスをジンクスとして受け入れてしまう人は、
ジンクスなんて全くの無意味で無価値なものだと思う。
一旦、立ち止まって、改めて科学的に考えるべきかと。
ただ、その点を分かった上でジンクスを信じる、というより、
利用するのは有意味だと思う。

僕はその観点でジンクス(アノマリー)を大いに活用している。
要は機械学習で例える所のわざとノイズ項(揺らぎ)を含める事で
モデルのロバスト性を高めるのと同じ。
ジンクスとは(ランダム)ノイズであり、
自分の主となる数理モデルにちょこっと加えるエッセンスみたいな認識。

ただし、この数理モデルとは、システム2ではなく、
あくまでシステム1として構築されたもので、数式として単純化されたものではなく、
常に揺らいでいる複雑系モデルとして得られるもの。
そこに思想としてのランダム項を含める感じ。
だから、ジンクスは何でも良くて、
「トイレ掃除をすれば金運アップ」「パワースポット巡り」「芸術を嗜む」
何でも良い。

システムトレードは結局、パレート則や逆正弦法則から抜け出せないだろう。
一般的なシステムトレード(アルゴリズム)ではフィッティングだの汎化性能だの
マシンラーニングよろしくデータをData Preparation and Modelingして「予測」しているけども、
複雑系科学を齧れば分かるけど、この手のデータは数理統計的に予測する事は限りなく難しく(現実的に不可能)、
僕は本質的に「予測」は不可能だと思っている(量子コンピュータが出てくれば別だけど)。
ただし「予測」は不可能だけども、「予想」は可能だと思う。
これは時系列分析を「原因系」と「結果系」という2つの系という観点で考えた時に、
自分がみているデータはどちらの系なのか、そこから何が分かるのか、
古典的統計(頻度統計)で分かる視点とベイズ統計で分かる視点、
「原因系」から「結果系」を導き出す「因果関係」を得るにはどうすれば良いのか、
「結果系」から何が云えるのか、「結果系」から「原因系」を得るにはどうすれば良いのか、
なんて話になるけども。自分の哲学の根本になる議論で、長くなるので割愛するけど。

そして、現実的に「予想」を可能にするのは、その世界を抜け出せるのは、
相転移点を超えられるのは、やっぱりヒトの思考という複雑怪奇なダイナミクスで、
その根源たるシステム1だと思う。

まあ、僕のトレードに対する考え方は非常に哲学寄りなので、
他人には理解されないだろうけど。だからこそロバストであると思う。

まあ、何と言うか、某記事のアノマリーがなんたらかんたらとか、
理屈がどうのこうのとか(システム2は一番駄目だと思う)、
そういうのみていて色々思惟に耽ってしまったのでした。

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